投薬の成長を加速させる3つのポイント
- たくさんの処方箋に触れよう!!
- 用法・用量、適応を意識してみよう!!
- 病態について勉強しよう!!
投薬業務が不安だけどどうしたらよいかわからない。日々の業務が忙しいから効率よく成長したいのにどうすればよいかわからない。
ロキソニン錠を1日何回服用して良いかわからなかった私が、これを意識することで投薬が成長した、やっていてよかったと思うポイントをあげました。
今回は、2回目の「用法・用量、適応を意識してみよう!!」について記載します。
(全3回シリーズの2回目です)
用法・用量、適応を意識することで、適切なアセスメントに繋がります。禁忌項目の確認ミスを防ぐためにも役立つのではないかと思います。
用法・用量、適応を意識できなかった自分
前述の通り、薬剤師に転職してすぐの私は、ロキソニン錠が1日何回飲めるかもわからない状況でした。
それまで研究職をしていた自分はデスクワークが中心であり、物事をじっくり考えることは好きでしたが、瞬時に判断を迫られる薬剤師業務に馴染むのに時間がかかっていました。
薬の名前を覚えるだけでなく、薬理作用、病態など薬剤師として基本的な知識を学びなおすことから始めていました。
そのため、添付文書に記載されている「効能または効果」について意識することが出来ず、目の前の投薬に必死でした。
今は投薬も少し落ち着いてできるようになり、少しずつですが効能・効果を意識しながら投薬することも増え始めました。
1つ目のポイントでも紹介した、「たくさんの処方箋に触れよう!!」を行いながら、効能・効果を意識するでより成長が早かったのではと感じている、今日この頃です。
具体的に少し考えてみたいと思います。
プレタール錠とプラビックス錠の効能又は効果は?
前までの私なら、「抗血小板治療薬」とだけ考え投薬に向かっていたことでしょう。
ここで、それぞれの効能・効果について添付文書の記載を確認してみます。
【プレタール錠の効能又は効果】
・慢性動脈閉塞症に基づく潰瘍、疼痛及び冷感等の虚血性諸症状の改善
・脳梗塞(心原性脳塞栓症を除く)発症後の再発抑制
【プラビックス錠の効能又は効果】
・虚血性脳血管障害(心原性脳塞栓症を除く)発症後の再発抑制
・経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される下記の虚血性心疾患
急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)、安定狭心症、陳旧性心筋梗塞
・抹消動脈疾患における血栓・塞栓形成の抑制
細かいことは色々あると思いますが、これから読み取れる内容の一つに、
プレタールは「脳疾患」、プラビックスは「脳疾患と心疾患」に適応があることが読み取れます。
私は脳神経の門前であることから、抗血小板の中でもプレタールの処方が多いです。
その理由も、実は適応症を見れば明らかなことでした。
また、プラビックスの適応を知っていることで、
「脳だけではなく、もしかすると心臓に疾患を持っているかもしれない」
この意識をするだけで、患者様への話し方を少し変えることが出来ます。
次に、疾患を意識することで防げる禁忌の例を挙げたいと思います。
エフィエント錠とレルパックス錠の併用について
この事例は、日本薬剤師会雑誌2021年 11月号 薬局ヒヤリ・ハット事例集・分析事業」に記載しているケースです。
なるほど、効能・効果、適応を意識することは本当に大事だと感じた例ですので、抜粋してお話しいたします。
他科でエフィエント錠服用中の患者様に、頭痛があるため医療機関を受診。その際に、レルパックス錠が処方されたケースとなります。
まず、エフィエント錠の効能又は効果が以下となります。
・経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される下記の虚血性心疾患
急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)、安定狭心症、陳旧性心筋梗塞
・虚血性脳血管障害(大血管アテローム効果又は小血管の閉塞に伴う)後の再発抑制の場合に限る
事例では、エフィエント錠を服用していることから既往歴を確認したところ、心筋梗塞があることに気付いたと記されています。
エフィエント錠の適応を知っていると予測ができるかと思います。
そして、レルパックス錠の添付文書の禁忌の項目に、
「心筋梗塞の既往歴のある患者、虚血性心疾患又はその症状・長江のある患者、異型狭心症(冠動脈攣縮)のある患者[不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状があらわれることがある。]
と記載があり、心筋梗塞を有する患者様に対してレルパックス錠は禁忌に該当する可能性があると予想することが出来ます。
薬理作用から考えると当然なのかもしれませんが、適応から考えるとより意識が出来た症例ではないかと感じた例でした。
まとめ
いかがでしたでしょうか。薬剤師としては当たり前の業務だったかもしれません。
私にとっては、スタートが出遅れているため、意識が出来ず、効能などをきちんと勉強していればもっと寄り添うことが出来たのにと思っています。
もちろん、予測の範疇でしかなく、全てが適応にのっとっているわけではありません。
禁忌とわかりながら、出しているケースなどもあると思います。
でも、効能又は効果を意識することで、患者様のアセスメント材料になることは間違いないと思います。
窓口で何を聞いたらよいかわからないという方は、添付文書の「効能又は効果」を参照してみてはいかがでしょうか。
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