幸か不幸か、そんな日は突然とやってくるものだ。まだまだ暑さが厳しくなる8月の初め、施設への配薬が一通り終わり、薬局で報告書を書いていた時である。在宅業務を始め約半年の頃、先生から一本の電話が入った。
先生:「これから点滴を処方したいんだけど、どうしたらいい?」
自分:『ん?どうしたらいいってどういうこと。そもそも輸液って処方箋で出せるの(心の声)』
『輸液って処方箋で書けるんですか(先輩薬剤師にヒソヒソ)』
先輩:『出せるよ。どういったものかな』
自分:「え~っと、どういったものを出したいとかございますか」
先生:「何が置いてあるの」
自分:輸液棚のところに走って、片っ端から列挙する。。。
こんなやり取りで始まった、初めての点滴処方への対応。その時の経験・反省を踏まえ少しでも参考になればと思って今回まとめてみます。
今回の件では、先生も院外処方箋で点滴を出したことがなかったため、優しく聞いてもらえてましたが。。。というケース。
今回のポイントは以下です。
1:点滴・輸液って薬局(処方箋)で出せるのか
2:点滴用のルート(医療材料)は保険適応(処方箋)で出せるのか
3:点滴・輸液処方箋の書き方
1:点滴・輸液って薬局(処方箋)で出せるのか
これまでの店舗では、経腸栄養(ラコール、エンシュア等)しか取り扱ったことがなく、処方箋でも点滴って出せるんだな程度の知識。
いざ聞かれると、自信がなくて(だって先生からだし)、おどおどした今回のケース。皆さんには自信を持って「はい、出せます。患者の状態はどういった状況なんですか?」と答えて欲しいと思います。
上述の通り、薬局(処方箋)で点滴なども処方することが出来ます。どういったものが処方できるかというと、「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」(以下「薬担規則」とします)の中に記載があります。
いきなり規則が出てきてびっくりしますよね。薬担規則という言葉が出てきた瞬間に無理と思った方、安心してください。今はまとめてくれているサイトが色々あるので。
「処方箋 点滴(注射剤)」や「保険医 注射剤」などで検索をかけて、参考になるサイトを探してみて下さい。
個人的には、とある病院サイトの注射薬一覧がとても参考になりました。
何が良かったか。具体的な医薬品名を記載してくれているため、処方できるか否かの判断イメージがこのサイトによってできました。
どういうことかというと、点滴(輸液)は薬担規則の中では「電解質製剤」に含まれるのですが、薬担規則から電解質製剤から薬の名前を知ることは難しいです。
ビーフリードやソリタ-T3等が電解質製剤に該当しますが、輸液の名前さえ知らなかった自分にとっては、処方箋を書くことを意識したイメージを掴むのにとても参考になりました。
その他、鈴鹿亀山薬剤師会のサイトがとても参考になりました。
(他のサイトをブログで書くのは良くないですが、本当に参考になったので書きました)
参考になったのは、管理料の記載をまとめてくれていること、処方箋の書き方(参考)を記載してくれていることです。
2:点滴用のルート(医療材料)は保険適応(処方箋)で出せるのか
ここをポイントに挙げたのには理由があります。結論を先に述べると、「末梢静脈栄養」に使われるルートなどの医療材料は、保険適応に該当しないと考えられます。
では、保険適応に該当する場合があるのかということですが、「中心静脈栄養」の場合は、保険適応(特定保険医療材料)が可能です。
今回、医師からもルートに関して処方箋に書いたらいいかとの問いがその場でありましたが、中心静脈栄養に該当しないことから、処方箋適応でない旨を伝えました。
薬局で業務をしている場合、実際の点滴状況まで見ることがないため、ルートなどのイメージが難しいです。言葉としてルートの意味も最初わからないぐらいでした。
在宅に関わってくると、医療材料の知識も問われてくるので少しずつ勉強が必要です。まだまだ他にも保険で対応できる医療材料があるので、経験した際には伝えていきたいと思います。
3:点滴・輸液処方箋の書き方
これについては、「鈴鹿亀山薬剤師会のサイト」が丁寧に記載して頂いているのでそちらを見て勉強してもらえたらと思います。
こう書くと、めんどくさくて見ない方もいると思うのですが、文字だけで伝えようとするとどうしても伝わらない部分があると思いますので、他のサイトの力を借りて申し訳ないと思いつつ終えたいと思います。
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