パーキンソン病治療薬 COMT阻害薬

パーキンソン病治療薬 COMT阻害薬

以下、パーキンソン病治療薬のCOMT阻害薬について解説します。

COMT(カテコールO-メチル基転移酵素)

COMTは、アドレナリン、ノルアドレナリン、レボドパなどのカテコールアミンのアミノ基をメチル化する酵素である。

レボドパは、末梢でDOPA(脱炭酸酵素)によりドパミンに代謝されるが、副経路としてCOMTによる代謝経路がある。

現在、COMT阻害薬はコムタンとオンジェンティスの2種類がある。パーキンソン病のwearing offの改善を目的に使用される。

エンタカポン(エンタカポン)

  • 早期パーキンソン病患者に対する、ジスキネジア発症の予防効果を証明するエビデンスはない。
  • 進行期のパーキンソン病のwearing off時間の延長効果が確認されている。
  • レボドパ・カルビドパ(メネシット等)やレボドパ・ベンセラジド(イーシー・ドパール等)との併用により使用が可能。
  • 1回最大200mg、1日8回(1600mg)まで服用可能。
    参考:パーキンソン病診療ガイドライン2018

オンジェンティス(オピカポン)

  • レボドパ・カルビドパ(メネシット等)やレボドパ・ベンセラジド(イーシー・ドパール等)との併用により使用が可能。
  • wearing offが認められるパーキンソン病患者に対して使用すること
  • 1日1回の服用で良いが、食事の前後1時間以上あけて服用する。
  • 空腹時と比べ食事後服用により、Cmax 0.53倍、AUC 0.57倍であった。
    参考:添付文書

参考(スタレボ配合錠)

レボドパ(L)・カルビドパ(C)+エンタカポン(E) ⇒ スタレボ配合錠
スタレボ配合錠L50 = L:50mg + C:5mg + E:100mg
スタレボ配合錠L100 = L:100mg + C:10mg + E:100mg

1回1~2錠、1日8回まで服用可能。
ただし、L:1500mg、C:150mg、E:1600mgを超えないとする。
スタレボ配合錠L100を1回2錠、8回服用した場合、L:1600mg、C:160mgとなり、
過剰服用となるので注意が必要。

まとめ

COMT阻害薬は、末梢のレボドパの代謝を阻害する事で、中枢のレボドパ量を増やす。
主に、wearing offの改善を行うことを目的に服用される。
現在、コムタンとオンジェンティスの2剤の薬がある。配合剤としてはスタレボ配合錠がある。

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