片頭痛の概略(病態)
「頭痛の診療ガイドライン2021」を参考に、片頭痛の病態及び治療(予防を含む)についてまとめました。
今回は片頭痛の概要として位置付けております。
片頭痛の病態・メカニズムについて
片頭痛は緊張性頭痛、群発頭痛とともに一次性頭痛に分類される。
その特徴は、
- 4~72時間持続する発作である。
- 片側性の頭痛である。
- 拍動性の頭痛(脈が打つタイミングで痛みが生じる)である。
その他にも、悪心嘔吐を伴うことが多く、頭痛時は感覚過敏となり、光過敏性や音過敏性を伴うこともある。我が国の有病率は8.4%程度と言われる。
セロトニン説
セロトニン受容体である5-HT1B/1D受容体は、頭蓋内血管、三叉神経終末、三叉神経節などの三叉神経血管系に広く分類している。
トリプタン系が片頭痛発作に有用であることから、5-HT1B/1D受容体が片頭痛発作に関与していると考えられている。
カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)
CGRPは三叉神経節の侵害性刺激受容体に関与する小型~中型ニューロンに発言している。
片頭痛発作時に、血中のCGRP濃度が高いことや片頭痛患者に投与すると遅発性に発作が誘発することがわかっている。
片頭痛の急性期治療について
片頭痛の急性期治療は、大きく以下の5つに分類することが出来る。
- アセトアミノフェン
- NSAIDs
- トリプタン系
- エルゴタミン
- レイボー錠(5HT1F受容体選択的作動薬)
片頭痛の予防療法について
片頭痛の予防療法に使用される薬剤は、大きく以下の5つに分類することが出来る。
- 抗てんかん薬(バルプロ酸など)
- 抗うつ薬(アミトリプチリンなど)
- β遮断薬(プロプラノロールなど)
- Ca拮抗薬(ロメリジンなど)
- 抗CGRP抗体
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