糖尿病治療薬 GLP-1アナログ製剤

GLP-1 アナログ製剤

以下、GLP-1アナログ製剤の特徴について解説します。
 参考:今日の治療薬、MSDホームページ、添付文書

グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)

GLP-1の作用には、以下の作用がある。

  1. インスリン分泌促進作用
  2. グルカゴン分泌抑制作用
  3. 胃内容排泄のの遅延作用
  4. 満腹感の促進と食事摂取量の抑制作用

GLP-1によるインスリン分泌促進作用は、血糖依存性であるため、低血糖のリスクは低いと考えられる。

以下、GLP-1アナログ製剤の個々の特徴について解説します。

医薬品名ビクトーザバイエッタビデュリオンリキスミアトルリシティオゼンピック
一般名リラグルチドエキセナチドリキシ
セナチド
デュラ
グルチド
セマグルチド
作用時間
(hr)
24815
用法1日1回1日2回週1回1日1回週1回週1回
空打ち毎回使い始めの1回なし毎回なし使い始めの1回

共通の禁忌として、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡・前昏睡、1型糖尿病等がある。

バイエッタとビデュリオンについては、透析患者を含む重度の腎障害患者には禁忌のため、腎機能について確認する必要がある。

個人的な見解であるが、ビクトーザ、リキスミア、オゼンピックに関しては、低用量の開始後、維持療法への増量が必要である。
用量が調節可能というメリットの反面、導入(維持)までに手間がかかる印象がある。

バイエッタについては、唯一の1日2回投与で不便を感じる。また、1週間投与が可能となっている、ビデュリオンであるが、重度の腎機能患者には禁忌との欠点もある。

以上の事を考えると、トルリシティが空打ちなどの操作も必要もなく、1週間に1度の投与でいいという利便性も兼ね備えているように感じる。

糖尿病専門の処方箋を受けることがないため、専門的な観点はふめいであるが、トルリシティが多く処方されている印象がある。

また、在宅医療を考えた場合、1週間に一度の投与であることは高齢者の在宅医療でも使いやすい様に感じています。

最近、GLP-1製剤の経口投与薬(日本で初)、リベルサスが使用可能となった。空腹時服用など、服用の問題点もあるが、注射剤以外の剤形は新規であり、治療の選択の幅が広がったと言える。

その他(糖尿病性ケトアシドーシス)

インスリンは、血糖値の上昇により膵臓から分泌される。インスリンの働きは、血液中のブドウ糖を細胞内に取り込む手助けを行うことで、細胞はエネルギー源としてブドウ糖を利用することができる。

1型糖尿病やインスリン注射を中断した患者など、インスリンが十分に分泌されない場合、血液中のブドウ糖を利用することができない。この時、代替経路として脂肪を分解することでエネルギーを得ようとする。

この際に産生されるケトン体により、血液が酸性に傾く現象を糖尿病性ケトアシドーシスと言われる。

症状としては、強い喉の渇きと頻尿、吐き気、嘔吐、腹痛等が上げられる。また、ケトン体特有のフルーツ臭がするとも言わている。

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