GLP-1作動薬 リベルサス

新規経口薬 リベルサス

以下、リベルサスについて解説します。
 参照:今日の治療薬、MSDホームページ、添付文書

グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)

GLP-1は食事により小腸のL細胞から分泌される。
GLP-1の作用には、以下の作用がある。

  1. インスリン分泌促進作用
  2. グルカゴン分泌抑制作用
  3. 胃内容排泄のの遅延作用
  4. 満腹感の促進と食事摂取量の抑制作用

GLP-1によるインスリン分泌促進作用は、血糖依存性であるため、低血糖のリスクは低いと考えられる。

現在、GLP-1アナログ製剤として、
ビクトーザ(リラグルチド)
バイエッタ(エキセナチド)
ビデュリオン(エキセナチド)
リキスミア(リキシセナチド)
トルリシティ(デュラグルチド)
オゼンピック(セマグルチド)

が、注射剤として使用されている。

今回、始めて経口薬としての服用が可能となった、リベルサスに焦点を当てて、その特徴を勉強したいと思う。

リベルサス(セマグルチド)

セマグルチドは、ヒトGLP-1と94%のアミノ酸配列の相同性を有する。アルブミンの脂肪酸結合部位と特異的に高い親和性を有することで、半減期の延長を行われた。

ペプチドを基本骨格とするセマグルチドは、分子量が大きいことから消化管での上皮細胞透過性が低かった。

そこで、SNAC(サルカプロザートナトリウム)を含有することで、胃でのタンパク質分解を保護し、胃からの吸収を促進することで経口投与が実現可能となった。

適応:2型糖尿病
用法:1日1回 空腹時(食事の影響が大きい)に服用
開始量は3mg、その後4週間以上の間隔をあけ、維持用量7mgとする。
効果不十分の場合、4週間以上の間隔をあけ、14mgまで増量可能
ただし、7mgを2錠の服用としないこと。
⇒SNACの含有量により、セマグルチドの吸収量に影響するため?

半減期:161時間である。
効果は、HbA1cを1.0ポイント下げる程度と推測される。
体重の変化量は、3mg:-0.4±1.9kg、7mg:-1.2±1.9kg、14mg:-2.4±3.0kgである。

まとめ

リベルサス(セマグルチド)は、SNAC配合により、胃での分解を押さえ吸収を更新することで経口服用が可能となった。
食事などの影響を受けやすい印象があり、空腹時での服用が絶対と考えられる。
また、胃から吸収されるため、胃切除患者などで効果が減弱される可能性も考慮しないといけない。
血糖降下作用は、他の製剤と比べても見劣りはしないと考えられる。

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